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農薬も化学肥料も不使用。食べられるバラを使った「ローズバター」の生産地を訪ねて(前編)

農薬も化学肥料も不使用。食べられるバラを使った「ローズバター」の生産地を訪ねて(前編)

2019.12.06

室谷真由美

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モデル・ビューティーフード研究家の室谷真由美がオーガニックフードが生まれる現地を訪ねてご紹介します。

皆さんはバラを食べたことはありますか?
バラは、抗酸化作用の高いビタミンCやビタミンE、ポリフェノールを豊富に含んでいます。
シミやシワ、たるみなどを防ぎ、美肌に導いてくれる女性にとって頼れる味方!
ただ、バラって栽培するのがとても難しいんです。
しかも食用となると、農薬を使わないのでさらに難しい…。

今回ご縁があって、農薬も化学肥料も一切使わずに食用のバラを作られているという、生産地にお伺いすることが出来ました。
ちょうど食べる「ローズバター」を開発されているとのことで、さらにワクワク。
完全無農薬のバラはどのように作られているのか、「ローズバター」はどんな商品なのか。
そこには、私の想像をはるかに超えた驚きと感動が待っていました。

1.なぜ完全無農薬バラ栽培を始めたのか? 100年先の未来を見据える土井社長の想い

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お伺いしたのは、和歌山県東牟婁郡古座川町で完全無農薬の農業を営む「株式会社あがらと」様。
360°大自然!社長の土井さん、スタッフさんが出迎えてくださいました。
そもそも土井社長は、なぜこの地で完全無農薬の農業を始められたのでしょうか。
まずはお話を聞かせていただきました。

1-1.人と自然が永続的に発展・調和する未来

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土井社長:
子どもの頃から父親の電気屋を手伝い、20代で立ち上げた電気工事会社の事業が大きくなるにつれて、利益を追うのではなく、もっと社員みんながやりたいことを一緒に実現する会社づくりをしたいと思うようになりました。
そこからは、社員と話し合いを重ねる日々。「100年後になってほしい未来」をテーマに掲げ、1年ほど話し合いは続きました。
たどり着いたビジョンは、「既存の社会も活性化させる、自然と共生する未来」。人間が培ってきた技術や産業は、環境問題を深刻化してきました。ですが、その技術や産業を否定してしまうのではなく、役割分担で地球のために活用することで、自然と人間が相乗効果で永続的に発展・調和していくことが出来るはず。そんな未来をつくる会社にしようとビジョンを明確にしました。そこから、人にも自然にもいい新しいコミュニティづくりの在り方を広げていきたいと考えるようになりました。その最初の場となったのが、もともと祖母の土地だったこの地であり、「あがらと」だったのです。

1-2.みんながやりたいことを一緒にやるのが楽しい

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土井社長:
「あがらと」は、農薬・化学肥料・動物性肥料を一切使わない、自然の摂理に順応した農業を目指しています。難しいとされる完全無農薬のバラを栽培することもその1つ。新しいこのコミュニティに賛同してくれた元庭師が、この地で完全無農薬のバラ作りに挑戦したいと声を上げてくれた所から始まりました。バラも米も野菜も、土から水路から徹底した自然と共生する方法で育てています。あとで現場の”竹ハウス”にご案内しますね。
「あがらと」以外にも、ときまたぎホールディングスとして様々な事業を行っていますが、目指す先は同じ。いろんなルートから、頂上である100年後になってほしい未来に向けて登山しているところです。
よく、「土井さん大変そうですね」と言われるんですが、全くそんなことはありません。みんながやりたいことを一緒にやるのが楽しい。その思いが根底にあるので、私自身は楽しくてしょうがないんです。社員もやりたいことにイキイキと取り組んでくれている。人が喜んでくれることが嬉しい。人が成長するのが嬉しいんです。

1-3.食べるものが体と心をつくる

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土井社長の掲げるビジョンと人柄に、感動するばかり…。
完全無農薬の食品について、土井社長はどう考えてらっしゃるのでしょうか。

土井社長:
食べているものが、体と心をつくるのだと考えています。例えば、硬いものばかり食べていると何となく性格も硬くなっていくといいますか(笑)。体にいいものを摂れば、心も豊かになる。自分と人を分けずに人の食のことを思うと、体が元気になる食べ物、やはり完全無農薬のオーガニックであった方がいいと思いますね。
担うマーケットが違うので、慣行農業を否定するつもりはもちろんありませんが、私たちの活動が広がり、農業に興味を持つ人が増え、完全無農薬で米や野菜を量産できる文化が生まれれば、いいんじゃないかと思っています。

 

食べるものが体と心をつくる。私も同意です。
同じオーガニックに携わる者として、改めて気が引き締まりました。

 

2.まさかの素材!驚きの連続!
自然と生き、自然に還るバラ園の秘密

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いよいよ、ビニールハウスならぬ、”竹ハウス”へご案内いただけることに。
ふと目に入ったのは、ハウスの横を流れる用水路。不思議な形だなと思い土井社長に聞いてみると、なんと瓦で出来ていました。

2-1.瓦で出来た用水路

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土井社長:
用水路を作ろうと素材を選ぶ時に、たまたま葺き替えたばかりの廃瓦がありました。聞けば屋根の規格が変わり、もう廃棄するしかないとのこと。瓦そのものは土で出来ていて、年数が経てば土に戻すことが出来る。そこで地域の方の許可をいただき、瓦を組み立て用水路を作ったんです。

 

用水路までも、自然に還る素材を活用することにびっくり。
竹ハウスには、いったいどんな工夫がなされているのでしょうか。

2-2.資源を最大限に活かした竹ハウス

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土井社長:
竹は、放置竹林という社会的問題も抱えながらも、伐採による環境負荷が少なく、自然に還る資源として活用出来る。そうした理由から、竹を骨組みにした栽培ハウスを作ることを試みました。構造計算をして様々なタイプのハウスを試験的に建てました。その間発生した大型台風にも倒壊しなかったタイプの構造を今は採用しています。
竹ハウスを覆うメッシュシートには、建設現場で使われて後は廃棄されるだけという防炎メッシュを代用してみました。編地が細かく丈夫で、日差しをうまく和らげてくれます。
土壌を覆うのは、廃材になる杉やヒノキの皮。土を保湿し、雑草を除けてくれます。
「既存の社会も活性化させる、自然と共生する未来」の実現は、「循環・永続・発展」がキーワードです。使われていない素材や廃棄される素材をただ再利用するのではなく、土に戻せたり肥料になるなど副産物があったり、活用した後いかに永続して発展するかを考えます。使えば使うほど良くなっていく仕組みが出来ていると思います。

 

竹ハウスは、土井社長の目指す未来、「あがらと」さんの農業の在り方を体現していることを実感しました。1つ驚いたのは、土井社長は農業をするのが初めてだったということ。いろんなアイデアが浮かぶのはなぜなのでしょうか。

2-3.自分たちにとって正しい情報を選択する

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土井社長:
農業は未経験、なおかつ放棄耕作地を開墾するゼロからのスタートだったので、基礎は学ばなければならなりませんでした。ただ子どもの頃から、教えてもらったことに「本当にそうなんだろうか?」と確かめることを繰り返していたので、「これをするには〇〇を使う」と教わっても、「なぜ〇〇を使うんだろう?△△で代替した方がいいのではないか?」と考える癖が付いていて。今はインターネットであらゆる情報を簡単に得ることが出来ますが、大切なのは自分たちにとってそれが正しいかどうかを選択して、ミックスしながら、新しい取り組みに活かしていくことだと思います。
先人の知恵と自然からの学びを、現代や未来軸に合わせることで新たな革新が生まれる。だから、今の「あがらと」の農法は、私たち自身が生み出したという感覚はないんです。この地域にあった育て方を追求し、この環境を受け入れること、環境に順応することから始める。環境とともに歩んでいくことなんです。
有難いことに、周囲の農家の方々にも私たちの農法が認められ、協力してくださるようになりました。竹ハウスも、「あがらと」の代名詞として注目していただけるように。嬉しい連鎖が広がっています。

 

自然やその土地の環境を思えば、最良のかたちが生まれていく。納得すると同時に、「あがらと」の皆さんは謙遜されるかもしれませんが、土井社長の幼少期から培われた才覚と、土井社長とスタッフさんたちの情熱と愛情を結集した取り組みがあってこそだと思いました。
また、「自分たちにとって正しい選択をする」ということは、私たちの日頃の生活にも言えること。たくさん溢れる情報の中から、自分にとって良いものを見極めていきたいですね。
「あがらと」さんの素敵なお話をご紹介したく、長くお話ししてしまいました。
竹ハウスで丹精込めて育てられた完全無農薬のバラと、新製品ローズバターのお話は、後編でお伝えします!

 

 

\Off Shot/

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水を引いている川の上流に行きました。
澄み切った水に感動…なのですが、水際まで行くのに足元が悪いため、土井社長におんぶしていただくことに…(笑)どこまでも優しい土井社長。ありがとうございます!

 

生産者紹介

「あがらと」の取り組みをもっと知りたい方は下記公式サイトへ

【株式会社あがらと】

https://agarato.jp/

 

「あがらと」の完全無農薬のバラを使った商品を知りたい方は下記ブランドサイトへ

★購入もできます!

【Dew Rose】

https://dew-rose.com/

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